「足跡姫」という現象

先日、NODA・MAP第21回公演
野田秀樹作・演出「足跡姫 時代錯誤冬幽霊」を観てきました。
作品は亡くなった第十八代目中村勘三郎さんへのオマージュです。

宮沢りえさん、妻夫木聡さん、古田新太さんをはじめ、
豪華俳優陣による、見事な舞台でした。
野田秀樹さんらしく、かつ中村勘三郎さんらしい?
魅力的な舞台です。

野田秀樹さんがウェブサイトで書いているのですが、
中村勘三郎さんのお葬式のとき、
坂東三津五郎さんが弔辞で語った言葉
「肉体の芸術って、つらいね、死んだら何にも残らないんだものな」
が野田秀樹さんの脳裏にずっと残り、
「肉体を使う芸術」、「残ることのない形態の芸術」について
いつか書いてみたいと思っていたそうです。

ぼくは歌舞伎についてまったく素人で、
この舞台に関して感想を書くのも大変恐れ多いことなのですが、
そんな素人が感じたことをちょっとだけ記します。

歌舞伎など
伝統芸能って、名前を受け継ぎますよね。

第十八代目中村勘三郎

といった襲名をする。

「足跡姫」を観ていて思ったのですが、
中村勘三郎とは「役者」の名前ではなく、
「現象」の名前なのではないか。

何百年の歌舞伎の歴史の中に、
中村勘三郎というある種「現象」のような
ものが起きることがあるのではないか。

歌舞伎という芸術のいわゆる「芸」が
本当に極まったとき。

無駄なものはすべて削ぎ落とされて、
その舞台に立つ歌舞伎俳優は
個人の第十八代目中村勘三郎ではなくなり、
長い歴史の中で、歌舞伎の中で生き続ける
「中村勘三郎」になるのではないか。

そんな気がしました。

「足跡姫」は3月12日(日)まで。
全公演当日券を販売するそうなので、
ご興味がありましたらぜひ。

そんなわけで今日の短歌です。

 

 

 

【今日の歌詠】
歴史には残らぬ今の笑顔こそぼくには永遠絶対無敵

 

 

 

歌舞伎の話とまったく関係ない短歌になってしまいましたが。
たくさんの日常のことを
大切にして生きていいきたいと思います。

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たわら だいふく

たわら だいふく

ブログ歌人。 職業はコピーライター。 TVCMやグラフィック広告をつくりながら、 「1日1更新」を目標にブログの中で、 日々の些細なできごとを短歌に詠む。 「短歌を詠むということは、世界を肯定していくこと」 という考えのもと、日々コツコツと短歌を詠んでいます。 夢は歌人として歌集を出すこと。 そして、その歌集が100年後も読まれ続けること。 応援よろしくお願いします!